介護業界においても働き方改革を浸透させていく傾向が強まっていると言われています。そのひとつに挙げられるのが労働時間や勤務体制の見直しです。介護業界では夜勤は当たり前のようになっていますが、日勤や夜勤を繰り返す変則的な勤務体制は体調不良になったりストレスを抱える要因ともなっており、それらが原因で離職してしまうケースも少なくありません。
しかし、近年では夜勤なしで働けたり、ある時間帯限定で働けるなど、個々のライフスタイルに合わせて仕事ができるような勤務体制をとっている介護施設が増えてきてきました。また働き方改革の一つとして業務内容を改めている介護施設も多くなっています。介護職の負担を軽減するための業務プロセスの見直し・簡素化といった取り組みが進んでいるのです。
その具体例の一つとしてあげられるのが、ICTおよびデジタル機器の導入です。介護スタッフにとって、個々の利用者の介護内容などを詳細に記録する必要がある介護記録の作成は、時間と労力を使う仕事です。しかし、ICTやデジタル機器を活用する事で、介護記録業務の時間短縮や簡素化などが期待できるため、これらを導入している介護施設は増加しています。
一方、介護は人との関りが大切になってくる業界でもあるので、帰宅時間になってはいるが利用者への対応が終了していない、などの理由で残業時間が増えているというケースが多くあります。しかし近年では、過度な残業をしないよう残業をしない日を設けるなどして勤務終了時間になると帰宅を促している職場も多いようです。このように離職率を下げるための対策にはさまざまなものがあります。高齢化社会に向けた介護業界の改善や対策はすでに多く始まっていることを知っておきましょう。